本格的な万年筆を考える際、店員さんからのお勧めなどもありつつ、多くの方がまず検討することになるのがパイロット社カスタム74という万年筆。

「跳ね、払い、押さえなど日本の文字に合わせた書き味」にこだわったペン先は、書きやすいと購入後の満足度の高さに繋がっていますし、ペン先の個体差が少なく、どの個体でも同じ書き味を得られるのはカスタムシリーズならでは。

それでいて14金のペン先がついた本格的な万年筆でありながら、定価12,000円と社会人であればちょっと頑張れば手に届く価格帯ですから店員さんがオススメしないわけがありません。

カスタム74で万年筆デビューした方も多いのではないでしょうか。

実はこのカスタム74、「初心者向け」「初めての万年筆」というイメージがありますが、よしぞー的には初心者を万年筆沼に落とすための最高の罠だと疑っております。

私がカスタム74を初めて手にしたのは万年筆を使い始めてだいぶ時間が経ってからで、いくつもの万年筆を使ってきた後でした。ですので各万年筆の個性の違いや個体の良し悪しは多少なりとも理解しているつもりでいましたが、カスタム74を初めて使用した際に妙な違和感を感じました。

こいつに近寄ったら危険だと感じさせるあの違和感です。

カスタム74より高い万年筆は山ほどあります。と言いますか、金ペンであればほとんどの万年筆がカスタム74より高くなります。

シリーズであれば、12,000円のカスタム74から始まり、カスタム742(20,000円)、カスタム743(30,000円)、カスタム845(50,000円)と値段が上がっていきますし、海外に目をつけると金ペン仕様であれば安価なモデルでも30,000円前後からのスタートです。

そんな中、カスタム74を使用して感じたのが、

「あれ、カスタム74ってこんなに書きやすいんだ!!」

次に、

「高い万年筆と書き味なんら変わらんのだけど・・・」

これが違和感でした。

カスタム74の書き味が素晴らしいと感じているのは私だけでなく、多くの万年筆ユーザーが感じているはずで、実際のところカスタム74って高価格帯の万年筆に負けない書き味をもつ凄いやつです。

そんなに凄い万年筆なのにさらなる伸び代(高スペックモデル)が後ろに山ほど控えているということ。これが違和感であり、沼に落とすための罠だと感じたのです。

例えばAくんであれば、

「うわ〜これ書きやすい。カスタム最高♫」
「カスタムシリーズって、74以外にも742や743、845なんて上位シリーズがあるんだ。」
「こっちは10号ペン先、こちらは15号。あれ、845だと18金・・・」
「カスタム74は5号で14金だから、一番仕様の低いタイプか。上のタイプはもっと良いのか?値段倍以上だし。」

742がゴロン。

続いてB子さん

「万年筆買っちゃった♫」
「万年筆ってすっごく書きやすいんだけど、この子可愛くない・・・」
「ふ〜ん、仏壇軸っていうんだ。」
「もっと可愛い万年筆が欲しいな。」
「あ、何これ可愛い最高♡」

手帳と水性ペンの投稿が中心だったB子さんのインスタにある日ピンク色のキャップレスが投稿される。

他にも74には存在せず、742・743・912に存在するフォルカン(FA)・ポスティング(PO)・ウェーバリー(WA)などの特殊ペン先もずるいですね。

特にフォルカンなどは万年筆を使い始めたら、憧れないわけがありません。

皆さまお気をつけ下さい。

さて、よしぞーはと言いますと、カスタム74を購入する前から沼に落ちてましたので、カスタム74を買ったから次の軸へ進むということはありませんでした。(カスタム74を買わずとも・・・)

しかしカスタム74には初心者を沼に落とす罠だけでなく、すでに沼に落ちている輩を横展開させるという罠も仕組まれていたようで、我が家のカスタム74は現在以下のようになっております。


左奥から、ペン先SF、SMF、SM、Mです。

気になる字幅があればとりあえず74を買っておけみたいな風習が出来上がりつつあり、気づけばカスタム74が4本。

そして同じ5号14金ペン先であるカスタムヘリテイジ91(B)・92(F)を含めると6本が集まっておりました。

こうやって筆跡の違いを楽しむのも嫌いではないわけで。

カスタム74(14金5号)のペン先は、EF・F・SF・FM・SFM・M・SM・B・BBの9種類。EF・FM・BBの3つの字幅を捕獲すれば全字幅コンプリートです。

私よしぞーが移動する試筆台となって活躍できる日もそう遠くはなさそうです。

私ごとに話が逸れてしまいましたが、カスタム74は控えめに言って最高ですよ。まずは1本お迎えし、ぜひ素晴らしさを自分の手でお確かめいただけると良いなと思います。


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ライタープロフィール

  • よしぞー
  • よしぞー Stationery Life-万年筆ブログ 管理人

    一人でも多くを万年筆とインクの沼へ沈めたい。最初はつま先をちょこっと漬けるところから最後はドボンと。「ああ、またお迎えしてしまった・・・」と痛々しい表情を作りつつ内心はほっこり微笑んでいる姿を見るのが好きです。悩まれている方の背中を優しく押してあげられるような人になれたら良いなと思ってます。 そんな夢をもってブログしてますが現在沼に堕ちているのは私自身。ペン習字昇級祝い!マラソン完走祝い!様々なお祝いを口実に万年筆をお迎えし戯れています。(平成最後の忘年筆と新年筆が11本になったのはここだけの話)