2018年12月「万年筆のインクと同じ色。合わせて楽しむ。」というコピーで発売されたSAILOR社「四季織マーカー」、万年筆インクで絵を描く方々には気になってしょうがない商品かと思います。

今回は全20色の四季織マーカーから「夏」の5色をピックアップしまして、オリジナルの万年筆インクとの違いや、ちょっとした作画の技法を紹介します。

色比較:四季織万年筆インク×四季織マーカー

夏の四季織シリーズの5色(土用、利休茶、蒼天、藤姿、夜焚)を万年筆インク(左)とマーカー(右)で比較してみました。

ぱっと見た印象としては、万年筆インクに比べてマーカーの方が明るいです。濃淡の出やすさ、つまり色の濃い部分と淡い部分の幅が広い、というのは万年筆インクの特徴ですね。

一方マーカーは面で塗り、均一な発色が求められるので、一番濃い色がその色そのもののイメージになるように設計されているのでしょう。万年筆インクと同じものがマーカーに入っているわけではない、ということがよくわかります。

四季織マーカーは「水性染料」のインクで作られているので、水に溶けます。インクのノビは色によって多少の差はありつつも、全色「水筆でのばすことができる」というのは万年筆インクと同様です。

であれば…ぼかし表現をはじめとした万年筆画の技法も、マーカーに応用できそうな気がしてきます。

利休茶・藤姿で味わい深い「藤」を描く

(1)藤の葉を描く

利休茶マーカーのブラシ側で葉を描きます。葉のシルエットを描く様に、しっかりと輪郭がわかるように描きます。

(2)色を抜く

水筆にタップリと水筆を含ませ、葉の外側を中心に水滴を置いていきます。3秒ほど間を置いて、ティッシュで水滴を吸い取ると程よく色が抜けて透明水彩の様な淡い色調になります。

(3)藤の花を描く

藤の花を描きます。葉と同様、シルエットがわかるようにしっかりとした輪郭をハッキリ描画します。

(4)色を抜く

水筆にたっぷりと水を含ませ、花の6〜7割くらいにランダムに水滴を置きます。今回も3秒ほど間を置いて、ティッシュで水滴を拭うと色が抜け、程よく透明水彩のような色ムラができます。

(5)完成

全体的に淡く、優しい印象の絵になりました。
ブラシで描画するので塗りがたやすくできること、それと万年筆インクと比較すると元の色が明るいので、淡い色調に向いています。絵の上に文字も重ねられる明るさなので、一筆箋などの挿画に向いているかもしれません。

そのほか蒼天、土用、夜焚でも簡単な絵を描いてみました。

万年筆画の技法をそのまま応用しています。はじめから線ではなく面で描いているので優しい印象になりますね。

■インク

■マーカー

  • SAILOR 四季織 土用
  • SAILOR 四季織 利休茶
  • SAILOR 四季織 蒼天
  • SAILOR 四季織 藤姿
  • SAILOR 四季織 夜焚

■紙

神戸派計画 グラフィーロ

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は水筆で「色を抜く」という技法のみを使用しましたが、マーカーですからコピックなどに代表されるマーカー固有の技法(混色やグラデーションなど)も勿論使用できます。

万年筆インクは画材と比較した場合、それなりに良い価格ですので、「四季織インクは好きだけれど全色揃えるのはちょっと…」と思われている方々の心を十分に満たしてくれる道具であると感じました。また、主線は別のペンで描き、塗りはマーカーでに作画されたい方にとっては、万年筆や万年筆インクに直接筆を浸けるよりも遙かに使いやすいでしょう。

インクとしての使い勝手が似ていて、万年筆画と共通の技法もありつつ、比較的安価に四季織の色を全色使える四季織マーカー。今回もまた、楽しい道具と出会うことができました。

 

※今回サトウさんにご紹介していただいた「四季織マーカー」ですが、youtubeで四季織マーカーを使ってイラストのメイキング動画を配信されています。「色を抜く」技法も動画でわかりやすく紹介されていますよ!こちらも是非ご覧ください。