今回のテーマは「画用紙」MARUMAN スケッチブックです。

画用紙は絵を描く紙として、とても身近でありふれた紙といえるでしょう。安価で多用なサイズがあり、どこでも入手できるところも魅力です。

画用紙なんだから、もちろん何をどのように描いても良いわけですけれど、じゃあ、改めて画用紙がどんな紙なのか?と言われると意外とその特徴はぼんやりとしか理解していなかったりします。

そこで今回のコラムでは、そんな画用紙の特性を整理しつつ、せっかく描くのであれば目一杯画用紙らしさを引き出した絵を描いてみようと思います。

紙比較:グラフィーロ・画用紙・ワトソン紙

TACCIA すなおいろ・インク 靑を使用して、おなじみグラフィーロと高級水彩紙ワトソン紙と紙比較をしました。

  • 発色はグラフィーロと比較するとやや沈む。
  • ワトソン紙ほどではないが、インクはよく吸い込む。
  • 書き味は紙肌の分だけザラつきがある。
  • インクはほどほどに伸びる。
  • インク、水分は乾きにくい。

他に、この写真の比較ではわかりにくい部分ですが、ワトソン紙と比べて紙が薄いこともあり、水分やインクで紙がたわみやすい、という性質があります。水を多用する画材を使用する場合は厚塗りを避けるか、パネルに水張りをするなどの対応をした方が良いでしょう。

画用紙にはどんな絵を描いてみようか?

一般的なスケッチブックに使用されている画用紙は、紙肌にある程度の凹凸が施され、消しゴム修正や水性画材への適応に配慮されています。なので毛羽立ちにくく、ある程度の強度を期待できる、という感じでしょうか。ならば、紙肌のテクスチャを活かし、かつ水彩の要素を取り入れた絵が面白そうですね。

ということで、今回は万年筆インクに加えて「水彩鉛筆[STAEDLER Mars Lumograph aquarell]4B」を使いまして、鉛筆のザラザラ感、水彩のシットリ感、万年筆インクのノッペリ感を存分に活かした人物画を描いてみることにしました。

水彩鉛筆×万年筆インクで人物を描く

(1)普通の鉛筆画を描きます

通常の鉛筆スケッチの感覚で、ラフに人物の絵を描いていきます。

マフラーは後で万年筆インクで着色するので輪郭だけざっくり描きます。消しゴムには練りゴムを使用します。不要な線は練りゴムで消して整えておきましょう。水彩鉛筆は、水に溶かさない限りは普通の鉛筆とあまり違いがありませんので、気楽に筆をすすめてください。

(2)水筆でぼかします

水彩鉛筆は、万年筆画のぼかし表現と同じような感じで水筆を使用し、鉛筆を溶かしていきます。帽子には水筆をいれずに紙のザラついた質感を遺すことにしました。

(3)重ね描きをし、メリハリをつけます

ドライヤーをかけて、一旦紙を乾かし、髪の毛や目尻などもう一度鉛筆をのせてしっかりと濃くしていきます。その他帽子の柄なども描き込んでいきます。鉛筆は万年筆インクと比較するとかなり淡い発色ですから、描き込みが浅いと万年筆インクの色に負けてしまいます。濃い部分をしっかりと作っていきましょう。

(4)マフラーにインクをのせていきます

マフラーのしわや影になりそうなところへ、ザックリとインクをのせていきます。水に溶けやすいインクを使用している場合は、線がいいかげんでも伸びてくれるので、ラフな描き方でOK。

(5)インクを水筆でぼかします

インクを水筆でのばします。
グラフィーロでぼかす時よりも多めの水加減でぼかしていきましょう。より陰影をハッキリつけて色を強くするならば重ね描きをしても良いですが、このくらいの描き込み・水の量で画用紙がたわみはじめるので、今回は色を重ねず。鉛筆の淡さとの兼ね合いもありますし、このインクならこの程度の濃さにしておいた方がバランスが良いかもしれません。

(6)完成

服を描き込んで完成です。いかがでしょう?水彩鉛筆1本、万年筆インク1色、水筆のみですが、それなりに色々な質感を盛り込んだ豊かな表現を実現できたのではないでしょうか。

■インク
TACCIA すなおいろ・インク【靑】

■ペン
TACCIA スペクトラム オーシャンブルー M

■鉛筆
STEADLER Mars Lumograph aquarell 4B

■紙

まとめ

鉛筆は下書きだけではなく、表現する画材としてもとても使い勝手の良い道具です。画用紙が「鉛筆〜水彩」に最適化された紙なので、そんな性質をフルに活用した絵を目指してみるというのはとても面白いものですね。

他にも、色鉛筆や透明水彩、クレヨンやパステルなど組み合わせた作画ももちろんオススメです。なんと懐の広い紙であることでしょう、さすが画用紙です。

とはいえ、使う道具が増えると描くのが億劫になることもあるので、気軽にできる範囲で、ほどほどが良いかもしれませんね。