厳しい暑さもおさまり、いよいよ食欲をそそる季節がやってきます。
今回のテーマは「赤ワイン」。
ワインカラーといえば「バーガンディ」「ボルドー」などは
よく耳にする色名ですね。
ただ、そうした色名の万年筆インクで
実際に赤ワインの絵を描いてみると意外に赤ワインっぽくない…
なぜでしょう?

ワインの色は複雑です。ピノ・ノワールやカベルネ・ソービニヨンなど品種や
作られた年数、熟成具合などによっても色は変わります。
そもそもワインは液体なので透明度なんかも
「ワインらしさ」と関係してくるので、
単色のインクでは再現が難しいのです。

そこで今回は2色のインクを重ねて赤ワインを描いてみます。
ベースになる暖色系インクと
透明感や深みをだす「弁柄色」
というインクを使用します。

グラスに入った赤ワインを描く

<見本>ピノ・ノワールをモチーフにした赤ワイン。

ベースカラーで使用するインクは「ペリカンエーデルシュタイン ガーネット」、
グラスは「エルバン ビルマの琥珀」
深みをつけるのは「弁柄色」です。

(1)まずはグラスの輪郭を「ビルマの琥珀」で描きます。

(2)輪郭線を内側にむけてぼかし、立体感をつけます。

(3)グラスの一番膨らんでいるところを目安に「ガーネット」でワイン部分に色をのせます。

(4)水筆で平たくのばし、乾かします。

(5)ワインの表面と外側に弁柄色を重ねます。しっかりと色を乗のせたいので、細かく線を足します。

(6)内側に向けて自然に色が薄くなるよう、ぼかしていきます。

(7)完成

この技法をベースにパンとワインの絵を描いてみました。

いかがでしょう?
なかなか味のある赤ワインが描けていると思いませんか?

また、ベースになる暖色系インクを変えると
また種類の違う赤ワインを描くことができます。

【京の音 今様色】+ 【弁柄色】

ガーネットよりもやや紫寄り。弁柄色を濃く重ねることでカベルネ・ソービニヨンやシラー、メルローなどボルドー系のワインカラーになります。弁柄色を軽めに重ねると紫の度合いが強くなるので、ボージョレ・ヌーボーのような若いワインの色になります。

【京彩 東山の月影】+ 【弁柄色】

オレンジ寄りのブラウン系インクを使用すると今度は古い、熟成されたワインのような色になります。

「ワインカラーでインク見本を作る」というのも面白いかもしれませんね。

インク

今回のPICK UPインク
文具店TAG サトウヒロシ×TAG STATIONERY【弁柄色】

赤身を帯びたブラウン。色幅が広く、主線にも塗りにも使える万能色

今回赤ワインの深い色合いの表現に使用したのは【弁柄色】というインク。インクのサブタイトルにあるように、文具店TAGさんと僕がコラボレーションして開発したインクでして、絵を描く上で「こんな色があったらいいな」というコンセプトで考えました。僕からは「京彩 祇園の石畳」の赤バージョンというオーダーをしました。暗い部分は明度が低く、色幅が広く、かつ水に溶けやすい、そんな性格のインクです。

茶系インクは黒と比べて少しやわらかく、やさしい発色なので、それを主線にしたイラストレーションなどはそれだけで少し味わい深い表現になります。弁柄色は水筆でのばし、しばらくすると赤味が強くなります。単色でも地味になりすぎず、万年筆画を描く際にどれか1色を選ぶならオススメのインクです。