「こんがり焼き上がった○○」を表現したいときにはクロワッサンを描きましょう。
「一見難しそう」でありつつ「簡単で」「見栄えのする」大変優れたラクガキネタです。

特に「一見難しそう」というところが素晴らしい。
何層にも重なった生地の質感は観察力や繊細さ、手数、根気、すなわち画力が
求められるもの…と観る側は錯覚します。
一方、描き手側といえばよぼよぼして途切れがちないい加減な線を
三日月状に重ねていけば、クロワッサンのそれらしい雰囲気が
あっという間に出せてしまう。
なんと効率的!

本記事では、さすがにクロワッサン一個というわけにいかないので、
「クロワッサンサンド」とし、トマト、レタス、モッツァレラチーズ(チラ見せ)
などを挟んで描いてみました。

クロワッサンは1色で描いても十分に楽しめるモチーフですが、
より軽い質感を出すために「ビルマの琥珀(エルバン)」を下地の色として、
こんがり部分を「京彩 東山の月影(文具店TAG)」で仕上げました。

メイキングはどうぞ部分的にでもマネしてみてくださいませ。
きっと誰もが「それらしく」描けてしまう、楽しいラクガキとなるでしょう。

クロワッサンサンドを描く

(1)まずは下描きを鉛筆で描きます。

(2)クロワッサンの重なりの線を中心にインクをのせていきます。クロワッサン部分は「ビルマの琥珀」。トマトは赤系、レタスは緑系インクならなんでも良いです。とにかくクロワッサンの線を描画するところを楽しみましょう。

(3)水筆でぼかしていきます。クロワッサンは「照り」が大切。光が当たる上部をできる限り白いままで残しておきます。パン、トマト、レタスのインクをのばし終えたら下地は完成。

(4)乾くのが待ちきれないのでドライヤーで乾かします。

(5)クロワッサンの層の部分に「東山の月影」を重ねていきます。最初に描いたせんと同じような線でOK。

(6)水筆でインクをのばしていきます。元の線が残る程度にのばすと層の質感が程よくでます。

(7)レタスやトマトにもう一度色を重ねてクロワッサンサンド本体はほぼ完成。モッツァレラチーズはほぼ白抜きのまま残しておきます。

(8)敷紙と後ろのマグカップに適当な線を入れて、インクを乾かしてから消しゴムをかけて下描きを消します。

(9)「東山の月影」でクロワッサンの陰影をさらに加え、メリハリを強化。そのほかの影も同インクで加えます。

(10)完成!水筆でならしたり、暗い部分を調整したり、湯気で遊んだり…

インク

今回のPICK UPインク
文具店TAG 京彩【東山の月影】

文具店TAGさんのオリジナルインクシリーズ「京の音」「京彩」「京阪ステーションカラー」他、は俗に京都インクと呼ばれており、京都草木染研究所との共同開発から生まれた染料インクです。各色は和の色をコンセプトとしていて、濃淡の幅が広く、やや彩度の低い落ち着いたトーンに落ち着く印象です。どのインクも水に溶けやすく、ぼかし表現をする上では大変便利。サトウのレギュラーインクの半分以上は京都インクで占められています。

暖色系で陰にも影にも使える便利な中間色

さて今回のメイン【京彩 東山の月影】は…というと「オレンジ寄りのライトブラウン」というくらいのニュアンスでイメージすると使いどころが見えてきます。パンの焦げ目、ミミ、柑橘系モチーフの陰部分、暖色系でふんわりとやわらかく描きたい影などで活躍します。「なにかと丁度良い中間色」なので単体で使用するよりも、今回のように他の色と組み合わせた時の方が使いやすいかもしれません。