令和元年、おめでとうございます。
新しい時代になっても変わらずご愛顧いただけますよう、よろしくお願いいたします。

これまで万年筆やボールペンなど、主にペンを中心にコラムを書いてきましたが、今回はインクについて述べたいと思います。

今回はセーラー万年筆顔料インク「STORiA」を紹介いたします。

染料インクと顔料インク

インクには、大きく分けて「染料インク」「顔料インク」の2種類があります。

”染料インク”とは、藍や茜など草木の汁液のような着色剤が溶けきっている状態のインクです。目詰まりしにくく色が鮮やかですが、耐水性では顔料インクに劣ります。

これに対し”顔料インク”とは、岩絵具や墨汁のように着色剤の粒子が溶けきらずに浮遊している状態のインクです。はっきりとした筆跡で、水に滲みにくいのが特徴です。

また染料インクは紙の繊維質に浸透して着色されるのに対し、顔料インクはインクの粒子が紙の表面に定着して着色されるため、裏抜けしにくいという利点があります。一般的に、顔料インクは粒が大きいために万年筆の目詰まりを起こしやすいといわれています。

しかし、この「STORiA」は、セーラー万年筆独自開発による超微粒子の顔料インクであるため、目詰まりしにくく染料インクと変わらない書きごごちを実現したインクとなっています。

パッケージ

私の手元にあるのは「STORiA」の8色セットです。

「SAILOR」のロゴが箔押しされた高級感のある黒い箱に入っています。

外箱の裏には「STORiA」のロゴが箔押しされており、お洒落です。

箱を開けると8つのボトルインクが姿を現します。まるで宝石箱のようですね。

ボトルインクの容量は20ml。四角い小瓶に入っています。

8色の内訳は以下の通り。色が連想しやすいように各色には名前つけられています。

紫 :PURPLE(Magic)
青 :BLUE(Night)
緑 :GREEN(Balloon)
黄緑:YELLOW GREEN(Clown)
黄 :YELLOW(Spotlignt)
薄茶:LIGHT BROWN(Lion)
赤 :RED(Fire)
ピンク:PINK(Dancer)

ま、このネーミングで色が連想できるかどうかはその人の主観に寄りますが。。。

試し書き

それでは、全色試し書きしてみます。用いたペンはメーカー推奨、セーラー万年筆の「プロフィットスタンダード」です。使った紙は日本茶色普及協会名入りの「飾り原稿用紙(港煉瓦)」です。

実際に書いてみました。

私は茶色以外に興味がないので、各色に関して特にコメントはありません。全体的には基本色の組み合わせで、使いやすい感じがします。しいていえば、YELLOWは白い紙だと見にくいですね。太字のペンに入れて蛍光ペンのように使うのがよさそうです。

日本茶色普及協会として一番興味をそそるのがLIGHT BROWN。

残念ながら私の好きな「ど真ん中の茶色」ではなく、どちらかといえば黄土色です。

「LION」と名がついているので、私はライオンの鬣の色を期待していたのですが、STORiAの「LIGHT BROWN」はライオンの体の色に近いです。

染料系との性能比較

そこで私が愛用する染料インクのペリカンブラウンと顔料インクのSTORiA「LIGHT BROWN」を比較してみます。

まずは裏抜け性能を確認してみましょう。今回用いた飾り原稿用紙は「キンマリスノーホワイト」の斤量45kgです。比較的薄い紙なのですが、一般的な染料インクを使うと裏抜けすることがあります。

染料系のペリカンブラウンが裏抜けしているのに対し、顔料系のSTORiA「LIGHT BROWN」はさほど裏抜けしていません。裏抜けしにくいという評判は嘘ではありませんでした。

次に耐水性能を確認してみましょう。インクが乾いてから水滴を落としてみます。

染料系のペリカンブラウンの色が水滴に溶け出しているのに対し、顔料系のSTORiA「LIGHT BROWN」は溶け出していません。顔料系のほうがやはり耐水性に優れていますね。

まとめ

STORiAの色は基本色であるため、顔料インクを初めてお使いになる方には最適なインクだと思います。裏抜けもしにくいですし、水にも強く滲むこともありません。

逆にサトウヒロシさんのように「ぼかし表現を使った万年筆画」を描く場合、水に溶けにくいため適さないでしょう。顔料インクと染料インクは、利用シーンに応じて使い分けるのが良いかと思います。

。。。

このコラムのために、今回私は初めて茶色以外のインクを使ってみました。

「いろんな色があるけれど、やっぱり私は茶色がいい」

これが私の結論です。

( ̄▽ ̄)T