万年筆売場には、多くの種類のインクが並んでいます。
万年筆を手に入れると、様々な色のインクを試してみたくなる人が多いようです。
カラフルなインクは、見ているだけでも楽しいですね。
試してみたくなる気持ちも、よくわかります。

ところで。。。

私は日本茶色普及協会という団体を設立し、茶色の普及を促進する活動を行っています。
したがって、私が使う万年筆インクの色は茶色です。
自宅とオフィスに同じインクがそれぞれ1本ずつ置いてあり、インクがなくなるとその場で補充できるようにしてあります。
もちろん私も複数の万年筆を使いますが、入れるインクは全て同じです。

茶色といっても、たくさんの色があります。
濃い茶色、明るい茶色、緑がかった茶色、グレーに近い茶色。。。
私が使うインクは「ペリカン4001ブラウン」1色のみ。
私が好む明るい感じの茶色で、使い始めてからもう8年になります。

。。。
ひとつのインクを使い続けて、わかったことがあります。

まず、万年筆の真の筆記感がわかるようになります。
万年筆Aにインクaを入れ、万年筆Bにインクbを入れたとします。
インクは種類によって含有物が異なるので、筆記感が異なり、万年筆AとBの単純な比較ができません。
これに対し使うインクが固定されると、万年筆そのものの筆記感を純粋に比べることができるわけです。

次に、インクと紙の相性に悩むことがなくなります。
使うインクと紙によって、裏抜け、裏移り、滲み、乾きに違いが出てしまう場合があります。
同じインクを使うことにより、選ぶ紙も必然的に相性のいいものを選ぶことになります。
一度そのような紙で出会ってしまうとインクと紙の相性に悩まなくなり、書くことに集中できます。

万年筆のインクはメーカーにより使用期限が定められており、製造開始から概ね2年で使用期限が到来すると言われています。
1本のインクを使い続けると、同じボトルからインクを補充することになり、買い替えサイクルが早まります。
買い替えサイクルが早まると、古いインクを使うことがなくなるわけです。
そのためいつも新鮮なインクを万年筆に吸わせることになり、万年筆を痛めることもありません。

さらに、たくさんのボトルを保管するスペースも不要となります。
インクに興味がわくと、新たなインクを買い足すことになり、保管スペースがすぐに埋まります。
私の場合、自宅とオフィスに1本ずつしか持っていません。
そしてストックすることもないため、必要最低限の保管スペースしか必要としないことになります。

同じインクで、万年筆の筆記感の違いだけを愉しむ。。。
気分によってペンを選び、それぞれの書き味を比べることができます。
使うインクは大好きな色。
こういう書き方をしても、色が統一されてノートなども美しく見えます。

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色の違いを愉しむことも万年筆の愉しみのひとつです。

しかし、大好きな色だけでお気に入りのノートを染めることも万年筆の愉しみだと、私は思います。

皆さまも、万年筆を通じて「色に対する一途な愛」を貫いてはいかがでしょうか?

( ̄▽ ̄)T

注)多くのメーカーは、自社インク以外を吸入することを推奨していません。異なるメーカーのインクの利用は、自己責任で行ってください。