少し前のコラムで、「大切なペン」として、
父からもらった万年筆のことを書きましたが、
私には、他にも大切にしているペンがあります。

ペンの種類としては、同じ万年筆なのですが、
こちらは、祖母からの贈り物。
何十年も前のものですが、辛うじて箱も残っています。

▼白地にオレンジ色のチューリップの イラストが入って、とてもキュート
▼白地にオレンジ色のチューリップの
イラストが入って、とてもキュート

私は、中学校に入る際の「入学祝い」だと記憶していたのですが、
改めて箱を見てみると、祖母からの贈り物である旨と私の誕生日が
判読不能な文字とともに薄らと記載されていました。

私は2月生まれなので、入学祝いも兼ねた「お祝い」として
贈ってくれたのかもしれません。

▼春先に咲くチューリップの柄は、入学祝いにピッタリ
▼春先に咲くチューリップの柄は、入学祝いにピッタリ

私は、生まれてからずっと、家族と一緒に
金沢の祖母の家に住んでいました。
そして、私が11歳のとき、父の仕事の関係で、
私たち家族は、関東に引っ越すことになりました。

これを機に祖母と離れて暮らすことになったのですが、
私たちが関東に移り住んで、1年とちょっと経ったとき、
祖母は他界してしまいました。

祖母の家は、戦前に建てられた木造の家屋で、
お風呂にいたっては、薪で焚くという、
昔ながらの様式をずっと守っていました。
そして、その薪をくべていたのが、他ならぬ祖母でした。

▼今はもう拝むこともできなくなってしまった、 懐かしい生家前の写真です。 門の後方に見えるのは、隣家の庭の雪吊り
▼今はもう拝むこともできなくなってしまった、
懐かしい生家前の写真です。
門の後方に見えるのは、隣家の庭の雪吊り

この万年筆を見ていると、敷地の一部が隣接している
材木屋さんから火が出たことにいち早く気付いた祖母が
「火事!」と叫んだ声や夏休みに帰省した私たち家族を
路上でずっと見送ってくれた姿などが次々と甦ってきます。

祖母と私の12年余の思い出がぎっしり詰まった
この万年筆は、私にとっては祖母そのもの。
これからも大事に持っていたいと思います。

ちなみに、ペン先は18Kの「細」「軟」で、
非常に書き心地の良い万年筆です。

▼数十年の時を越え、 ビビッドカラーの手帳との相性も◎
▼数十年の時を越え、
ビビッドカラーの手帳との相性も◎