今年は、父の命日に、ごくごく内輪で
実家に集まることになりました。

当日私は、子供の頃に父からもらった
万年筆を持って、実家に向かうことに……。

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なぜなら、この万年筆は父の横浜土産だと、
長らく勝手に思っていたのですが、
この機会に色違いをもらった姉に見せて
当時のことを詳しく聞きたいと考えたからです。

姉は、ターコイズ色の万年筆をもらった記憶はあるものの、
それ以外については不明とのことで、私は意気消沈。。

そこに母から「私、茶色のを持ってる!」と驚きの発言が出て、
さらに「アメリカのお土産じゃないの?」と……。

ちなみに、この万年筆のキャップには
「“329”英雄  MADE IN CHINA」との刻印があり、
クリップ部分には「HERO」の文字があります。

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インクはスポイド式で、軸部分を外すと、こちらには、
「英雄 中国制造」の刻印が見られます。

残念ながら、母の記憶も定かではないようで、
この真相は、どうやら迷宮入りになりそうです。
けれども、同じ万年筆が実家のどこかにあるということと、
それが母とお揃いであることがわかっただけでも大収穫。

実は、私の父はとても厳格で、私はよく叱られたのですが、
あるとき、自分がこの先ずっと叱られ続けながら
生きていかなくてはならないことへの絶望感と
「坊主憎けりゃ……」の心境で
この万年筆がたまらなくイヤになり、
「こんなモノは要らない!」と、
万年筆を捨てる決心をしたのです。 (笑)

幸い当時は、ゴミの分別も今ほど厳しくなく、
私は、万年筆をゴミ箱の中にポイッ。

けれども、親からもらったモノを
こんな風に捨ててはいけないという、
後ろめたい気持ちが払拭できず、後でゴミ箱の中から
拾い上げた、曰くつきの万年筆なのでした。

この万年筆には、私と一緒に棺の中に
入ってもらおうと思っているのですが、
今更ながら、あのとき捨てなくて良かったと……。

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もうすぐ父の日です。
父からもらった万年筆を私がこんなに
大切にしていることを知ったら、
父もさぞ喜んでくれるのではないか、と思っています。