やりなおしたいこと、小さなことから大きなことまでたくさんあります。
むしろ、やりなおしたくないことのほうが少ないです。若い頃のイタい恋愛くらいでしょうか…。

また、書店に行けばタイトルに「やりなおし」とついた大人向けの勉強本をたくさん見つけることができます。政治家や企業人などの「ことなかれ主義」は世間からよく叩かれていますが、製品やサービスの価値としては、「予防・防止する」より「なかったことにする」のほうが魅力的に映るのかもしれません。


さて、文具業界で“やりなおせる”といえば、パイロットコーポレーションの「フリクション」シリーズです。

2006年の発売(ヨーロッパにて。日本では2007年に発売開始)以来、売れに売れて、現在は色鉛筆やスタンプなども登場しています。

リスケ(予定の組み直し)の多い編集・ライター業において、「消せる」という、あまりに大きすぎる価値の前には、前回のコラムでご紹介した書き味が気に入っているあの万年筆も、インクの色が大好きなあの蛍光ペンも、全く歯が立ちません。手帳の書き込みに使うペンはフリクション一択です。

フリクション多め
フリクション多め

実は、“やりなおせる”文具は、フリクションや鉛筆と消しゴムのコンビ以外にもたくさんあるのです。

・ビジネスツールの枠を超え定番文具となりつつある「ふせん」。はがせます。
・糊なら、トンボ鉛筆の「ピットリトライC」、コクヨの「ドットライナー フィッツ」。貼ってから1分以内であれば、はがして貼り直せます。
・ノートなら、LIHIT LAB.の「ツイストリング・ノート」。なんと、ノートなのに中の用紙を外せます(!)。

実は、万年筆のインクも化学反応を利用して消すことができるんですよ!プラチナ万年筆の「インク消し」や、ラミーの「ink-x ブルーインク修正ペン」などがあります。

そして、なんといってもマスキングテープ。
かわいい色や柄の数々に、つい忘れてしまいそうになりますが、本来の用途は工事や塗装の際に、作業箇所以外の部分をマスキング(隠す)するために、仮に貼っておくものです。そう、実ははがすためのテープです。

なんだかんだと増え、この3倍はあります…
なんだかんだと増え…

私も生活の色々な場面でマスキングテープを便利に使っていますが、最近、文具愛好家の方に取材した時に聞いて「これだーーーー!」と思ったのが、ノートや手帳などに貼り、インデックスとして使う方法です。

ブラウニー手帳にパープルとコーラルのマステ
ブラウニー手帳にパープルとコーラルのマステ

マスキングテープを二つ折りにして、ブラウニー手帳の「今週のウィークリーページ」と「今月のマンスリーページ」にそれぞれ貼り、書き込みたいページをすぐに開くことができるようになりました。

週や月が変わってページが移動したら、マステをはがしてリセット。また新しく貼ります。常に2枚だけが貼ってある状態なので、手帳やノートを太らせることもなく、見ためがスマートで嬉しいです。

はがしても、なんのダメージもありません
はがしても、なんのダメージもありません

ふせんのように剥がれ落ちてしまったり、先が丸まってしまうことはありません。
剥がれ落ちないのに、剥がしても跡は残らない!
ふせんとインデックスシールの難点をそれぞれ解消してしまいました!

よく使われる「しおり」や「ダブルクリップ」のように、ズレたり落ちたりする心配もありません。デザインに惹かれて買ったは良いけれど使いどころがなく溜まっていたテープや、字を書き込めないような色柄のテープもドンドン使えます。


人生、なんでもかんでもリセットすることはできませんが、書いた字や塗った色は何度でも簡単にリセットできる時代になりました。

「やりなおせる」という前提で、気兼ねなくポンポン書いたり塗ったり混ぜたりした中から、素晴らしいアイデアや言葉や色などが偶然生まれることもあるかもしれません(公的な書類などに消せるペンを使うことは禁止されています)。