10年ほど前だったでしょうか。
表参道にあるおしゃれなお店のショーケースで見つけたそのシャープペンに
心躍らせた鮮明な記憶が残っています。
当時、私はまだお小遣いをもらっている学生の身分で、
一緒にいた父に頼み込んでそのシャープペンを買ってもらったのでした。

あまりにも細くシャープペンとわからないような風貌をしている「トンボ ZOOM707」。column_151021-1_img

それが私の心を躍らせた初めてのシャープペンでした。
数々のデザイン賞を受賞したシャープペンでおしゃれなシャープペンの代名詞ともいえる一品ですが、
当時の私はそれを知る由もなくそのフォルムに夢中になっていました。
グリップ直径6.5mmという細さを誇るそれは一見すると書きにくいのではないか、
折れてしまうのではないかと心配になってしまうほどです。
しかし実際に手に取ると指先に自然になじみ書きにくさを感じさせない安定感。
地元は田舎でおしゃれなお店などなく、ZOOM707はもの珍しく変わったシャープペンを使っていると
すぐに教室でクラスメイトに話かけられ鼻高々となっていました。

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それから私は都会の大学に進学し、田舎から出てきた私はどこか都会が怖かったのですが、
ZOOM707はいつも手元でそんな不安を抱えた私を支えてくれました。

しかし、当時の私は飽きっぽい性格から年齢とともにいずれこのシャープペンにも
飽きる日がくるのだろうかとぼんやり考えていました。
ところがその予想は大きくはずれ、10年近くたった今でもこのZOOM707を
「格好いい」「使い続けたい」と思う気持ちは変わっていません。
その変わらない気持ちに答えるように、ここまで酷使しているにもかかわらず
壊れることなく使い続けられる機能はさすがの一言です。
そして今でもZOOM707を見たことがない知人の前でこれ使うと「格好いい」「珍しい」といった
リアクションがあり、私の大事なコミュニケーションツールとなっています。